ココロド_黄月家K's weblog

考えすぎ? ココロド_心理カウンセラー_黄月家Kの 思考いろいろ、心理分析、ものづくり、時々庭、時々日記です。

私の「アイデンティティー」とは、発達心理学より

10月になりました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

今年も、庭にぶどうが沢山なりました。今年もぶどうジャムをつくりました。

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今年も、庭に、あけびがなりました。今年は3つなりました。
味は、甘いのですが、今年は少し渋みがありました。

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今年は、忙しく、庭もあまり手入れ出来ませんでしたが、
毎年、楽しめるものがあるのは、楽しいし、気持ちをいやしてくれます。
お庭さん、ありがとう!!。

---さて、--

 

今日のお題は、「アイデンティティー」

発達心理学の中心的な理論である
エリク・H・エリクソンの発達段階理論によれば、

12才頃~20才頃の青年期に、
アイデンティティーの確立 対 アイデンティティーの拡散という
発達段階があります。

 
この「アイデンティティー」なるもの、
よく聞くようで、今ひとつ、日本語文化の中で解りづらいところを感じます。

一人の人間として、また社会の中で生きる上で、
あるいは、人として、自分自身を活かしながら、
社会と調和できる統合した人格像の基礎となるもの、なのですが、

ピンとこない人も多いと思いますので、
解説したくなりました。

発達段階の全容については、下記で参照できます。

 

発達心理学 - Wikipedia

エリク・H・エリクソン - Wikipedia


アイデンティティー」とは、辞書では、
「同一性」「主体性」「自己同一性」「個性」「連続する同一のものであること」
などの意味になります。

人間は、
身体、考え(認知)、気持ち、行動、などの複数の要素の複合体なわけですが、
これらが、同一性をもっていること、あるいは、
確立された同一性のある概念の存在が、「アイデンティティー」です。

 

人間は複雑なことに、
その複数の要素が同じ方向で、作用しない場合があります。

たとえば、
内心今日は気が乗らないが、建て前で、相手に合わせよう。
もしくは、
今日は疲れているが、がんばらねばならない。
または、
弱さを否定している自分がどこかにいて、無意識にいつも怒鳴ってしまう。

などなど、

 

そのような、身体、考え(認知)、気持ち、行動がバラバラな状態を
心理学では、混乱、葛藤、不一致、自己不一致、自己否定、防衛機制、不統合、統合失調、かい離、ペルソナ、・・
などなど、さまざまな状態を表す、言葉があります。

人間は、成長段階で、
乳児期に、養育者の養護から、安心や信頼を、あるいは、不安や不信を経験し、
幼児前期に、幼い自律行動に対しての、養育者の受容か否定かによって、
自律性か恥かを学び、
幼児後期に、幼いながらの気持ちを、受容か否定かによって、
積極的か、罪悪感かのどちらかを学び、
児童期社会で、受容か否定かによって、
生産性か、劣等感のいずれかを学ぶという過程の先に、
学んだことを基盤に、
自分で判断し、自分で行動する判断力を持つ心理的な発達段階へと進みます。

他人対して、信頼や安心をある程度もてない場合も、
自分に対して、信頼や自信を持てない場合も、
自分の気持ちに、罪悪感を持ってしまう傾向も、
自分に劣等感を持ってしまう傾向の場合も、

自分の考えや、気持ち、行動、あるいは、身体に、
自信が持てない状況になるのは、解る気がします。

そのような状態で、
自分で自分のことを選んだり決めたりして自律的な自分に変容していくことに、
不安やためらいが生じるのも、解る気がします。

しかし、

自分の気持ちや考えに責任を持ち、自分で自分の人生を選んで行ける自律性が、
アイデンティティーの確立」、ということだったりします。

アイデンティティーの確立」とは、
言い換えると、自分の主を、自分できる、段階のこと。
自分の主とは、自分の思考や行動などの選択基準が、親の判断であったり、規則であったり、他人や外部の評価基準であったりした段階から、
様々な経験から学んだことを、自分の判断で、物事を調整・応用できるようになる成長過程のことです。

養育期に、否定的な環境であったか、受容的な環境であったかは、
アイデンティティーの確立に、大きく作用します。

しかし、仮に否定的な環境であったとしても、
否定的な要素から、物理的にも心理的にも距離を取ることで、
自己の自律性を育てることもできます。
心の成長には個人差も環境差もあるし、
早いことや遅いことに、固執する必要もありません。

現代日本の場合は、親の保護期間も長い環境もうかがえ、
日本の、アイデンティティーの確立期は、概ね30才前後という見解もあります。

アイデンティティーの確立」と、
アイデンティティーの拡散」を、
補足的に、比較して、多角的に説明してみます。


--「アイデンティティーの確立」の対比図_ココロド編集--

 

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最近の、
他者否定的な風潮や、排他的な炎上や、
他者への固執的な事件や、社会現象の背景にも、
繋がるところが多いと、私は感じるところもあります。

 

では、自己の「アイデンティティーの確立」をするために、
できることは、どんなことか?
あるいは、他者の「アイデンティティーの確立」をうながすために

と考えますと。

今日のテーマの冒頭の方に戻りますが、

人間は、
身体、考え(認知)、気持ち、行動、などの複数の要素の複合体なわけですが、
これらが、同一性を持つこと、

つまり、自分自身を統合していくことに繋がります。
そして、その判断基準が、内部準拠(自分の意向)であり、
自分の行動や言動、考えや気持ちに「責任」を持つこと

です。

自分自身に責任を持つと、自ずと気持ちや考えや行動が深まり、
一致してきます。

第一段階の、
方法としては、自分自身の好きなところも嫌いなところも、
受け入れる(受容する)ことから、始まります。
自分を知るということでもあります。

 

他者の「アイデンティティーの確立」をうながすためには、

他者の、考え(認知)、気持ちを、聴いて、
他者が自分の気持ちや考えを持つことができる、環境を作ることが必要です。

そして、その気持ちや考えに、責任を持たせる対応が、望ましいです。
対応することに、引け目または権威や加護を感じていると、
他者の自律が難しくなります。
対応する人自身も自律的モデルであることが望ましいです。

やがて、自分のことを、自分の技量や要領の善し悪しを知って、
自分にあったコトやモノ、
自分を活かせる環境を自ら探し出せるチカラを発揮するために、
自律していく方向で、見守ることが、
他者の「アイデンティティーの確立」に役立ちます。

--

とはいえ、
私自身は、エリク・H・エリクソンの発達段階理論に置き換えると、
成年期_中年期の、アイデンティティーの再構築期にあたります。

青年期の「アイデンティティーの確立」の後も、

家族環境が変わったり、カラダの状態が変化したり、
社会が変わったり、

これまでの、自分で居続けることが難しい状況も、多々出て来る時期でもあり、

もう一度、
自分とは、何者で、どんなことを望んで、どうなりたいのか、
どんな風に、生きていくのか、
自分の「アイデンティティーの再構築」をしている最中です・・。

でへへっ。

 

自分がバラバラになりそうな時は、

10分、時間をとって、
マインドフルネス、するようにしています。

--
秋の夜長と申しますが・・・

自分の内面と向き合ってみるのには、良い季節かもしれません。

どうぞ、ステキな秋をお過ごしください。